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………かしゃり 聞こえてきた、甲冑の音 それを耳にした瞬間…黒服は、全身の体温がすぅ…と、下がっていくのを感じた 思い出す 籠釣瓶を取り押さえる任務で、「首塚」の敷地内に入ってしまった、あの時の事を 「くくくくくくくっ、顔を合わせるのは久しぶりだなぁ?」 「…お久しぶりです」 「あ、将門様」 自分と契約してくれた青年と少女と、祭会場を歩いていて その人物と、遭遇してしまった 通常ならば、このような時刻に、彼が出歩いているはずがない ……だが、今回の祭は、彼が出歩く事ができる「理由」を作ってしまっている 「夢の国」や「鮫島事件」との戦いが終わった今でも、この祟り神は平気な顔をして、祭会場を歩いていた 「どうしたんすか?将門様?…今日は、あいつと一緒じゃないなんて」 青年は、将門を恐れる様子もなく、平気でそう口にする …慣れ、と言うものなのだろう、この青年は将門と何度も接触している ……恐れる理由を、もっていないだけなのかもしれない この青年は、将門を敬っている 将門に祟られる理由を、この青年は持っていないから 「あぁ、あれか?あれは、少し目を話した隙に見失ってしまった。探しているのだが、見付からんなぁ」 「将門様が見失ったんすか?それとも、向こうが将門様を見失ったか、どっちなんすか」 「………」 将門と青年の会話を前に、少女は、やや警戒したような表情を浮かべている 確か、この少女は将門と接触した事がないはずだ 未知の相手を前に、警戒しているのだろう 「…大丈夫ですよ、こちらから害を与えなければ、敵対する相手ではありませんから」 「……そう」 それでも、少女は完全には警戒を解かない …それは、そうだろう 将門本人はさほど意識していないだろうが、この霊気 怨霊でも背負っているかのような、迫力 …そもそも、周囲の学校町の住人たちが、それに「気づかない」のがある意味で異常なのだ いや、その異常がまかり通るからこそ、この街は世界的に見ても異常な数の都市伝説を抱えながらも、何ら問題なく存在し続けているのかもしれないが… 「くくくっ、なるほど、そこの童か、こやつと共に、お前と契約したのは」 将門が、口元に笑みを浮かべて少女を見た 少女は、ますます警戒する 「……お願いですから、少しはその霊気を弱めてください」 「くくくくくっ、無理だなぁ?何せ、我は祟り神であるからなぁ?」 …言うだけ無駄だと思ったが、やはりそうか 黒服は、小さくため息をつく 「…それで、何か、御用でしょうか」 「あ、そうだ。将門様、こいつに何か用ですか? ……用がなければ、声などかけてこないだろう こちらに声をかけてきた、という事は、何らかの用件があるという事だ それがどんな用件なのかは、あまり想像はしたくないのだが 「なぁに、少々、尋ねる事があるまでよ…………貴様、「夢の国」を討ち取ったそうだなぁ?」 「…私、など。ただ、他の方の手助けを、少ししたまでです」 自分の力で「夢の国」を……否、「夢の国の創始者」を討ち取った訳ではない ただ、ほんの少し ほんの少し、手助けしただけ 少なくとも、この黒服はそう考えていた あれは、Tさんがやり遂げたことである 支配から解き放たれた「夢の国」が、新たに支配される事なく、自分の意思を守り抜いた結果だ …この黒服は、そう考えていた 己に自信と言う物を全く持っていない、この黒服らしい返答ではあった ………しかし、この日 彼はこの自分の言動を、後悔する事になる 「…あぁ、そうだ。お前と共に、「夢の国」相手に戦った者がいたらしいなぁ?」 「………そう、ですが」 …じわり 背中を、嫌な汗が伝う 「それは、どんな奴なのだろうなぁ?」 「…興味がおありなのですか?」 「当然だ。そいつが「組織」と敵対していれば、なお、問題はないな」 くっくっくっくっく、と 将門は、楽しげに楽しげに笑っている …まったく、この祟り神は 黒服は、小さくため息をついた ……そして、考える Tさんが、将門と接触を取る、可能性を Tさんたちは、「夢の国」が最早悪夢に侵されていない事を、「組織」等に伝えて回っているようだ それは、街のあちらこちらに張られたポスターを見ても、わかる …だからこそ、不安である Tさんと対面して、この祟り神がどんな行動をとるか? 「夢の国」を討ち取った者がどれほどの実力か、試して見るくらいはしかねない そんな祟り神の気まぐれの戯れで、Tさんの命が危険に晒される可能性がないと言い切れないのが恐ろしい 「お前も、「組織」に捨てられたならば、こちらに来るが良い。歓迎するぞぉ?」 「……お気持ちだけ、受け取っておきます」 「組織」と「首塚」 今の自分は、どちらにも傾くつもりはない バックアップについては、一つ、「アテ」がある そちらを頼らせてもらうつもりだ その状態で、「組織」と「首塚」、双方に対し中立の立場でいられたらいい、と思う …この二つに、戦って欲しくはないのだ 「くっかかかかかかかかかかか!!まぁ、良かろう」 黒服の答えに、将門は楽しげに笑って かしゃり 甲冑を鳴らし、この場を立ち去ろうとしたが… おぉ、となにやら思い出したように立ち止まり、振り返ってくる 「あぁ、そうだ。青年よ、次の休日、暇は在るか?」 「へ?はい、ありますけど」 将門相手に警戒を続けていた少女の様子に、首をかしげていた青年だったが、将門の言葉にすぐに反応し、返事を返す その答えに、将門は満足したように笑った 「では、その日、「夢の国」と「鮫島事件」相手の勝ち戦の宴を開く。宴の食事の支度は任せたぞ?」 「!はいっ!」 将門にそう言われて、青年は嬉しそうに返事した …何故だろう 一瞬、青年が飼い主に褒められた大型犬に見えたような見えなかったような ちぎれんばかりに振られる尻尾が見えた気がするのは、完全に幻想だろう やはり、自分は疲れているようだ 「…宴、ですか」 「あぁ、そうだ。お前も、そこな童も来るが良い。貴様等も、宴に来る資格はあるからなぁ?」 楽しげに、楽しげに笑って 将門は、甲冑を鳴らしながら立ち去っていく …体中の力が、抜けていくのを自覚した 一瞬、体がよろける 「っとと、大丈夫か?」 「はい…」 …全く あの祟り神と話していると、寿命が縮みかねない 「…少し、休みましょう?しっかり休みましょうと言っても、あなた、聞かないでしょう?」 少女がそう言って、黒服の手を引き始めた 腰掛けて休める場所を探してくれているようだ 黒服は、少女にそのまま手を引かれて行く 青年が、そんな二人の後を慌てて追いかけてきた 「……宴、だったかしら?行くの?」 「はい、まぁ、誘われましたから……付き合い、と言うものがありますので」 …最も、その前に 将門とは、もう一度会って話さなければならないのだが ……「籠釣瓶」の件に関して、問いたださなければならない事がある それを考えると、今から胃が痛い 「あなたは、どうなさいますか?」 「え?……さぁ、どうしようかしら?」 黒服の言葉に、曖昧に答えてきた少女 …少女も行くと言うのなら、自分も同行した方がいいだろう 将門の言い方から考えるに、「組織」の関係者すらも、招かれる可能性があるのだ 少女は、ある意味で「組織」と敵対している状態にも近いのだ トラブルが起きないとも言い切れない …都市伝説として、契約者を護らなければ そんな使命感よりも、何も この少女を危険な目にあわせたくない、という思いが、この黒服は強いのだった fin 前ページ次ページ連載 - とある組織の構成員の憂鬱
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【中学一年 ―― 7月第一週】 京太郎「(さて…インターミドル出場も決まった)」 京太郎「(玄の奴とも仲直り出来た)」 京太郎「(俺の人生順風満帆!!!)」 京太郎「(とは言えないのは…目の前にテストが控えているからだろうな…)」 京太郎「(もう良いじゃん…俺、県大会頑張ったじゃん…)」 京太郎「(寧ろ、インターミドルに向けて合宿やら何やらですげー忙しいじゃん…)」 京太郎「(なのにテストに免除も何もないってどういう事…)」 京太郎「(ま…ここで愚痴ってても仕方ないか)」 京太郎「(【三週目のテストや8月2週のインターミドル】の為にも…今週は…)」 +2 末尾1.2 憧と勉強 末尾3.4 部活に集中 末尾5.6 雑用に集中 末尾7.8 松実館でバイト 末尾9.0 鷺森レーンでバイト 雑用に集中 京太郎「(男子の部でインターミドル決まったとは言っても、俺の立場は未だに雑用だからな)」 京太郎「(小走先輩の顔を立てる意味でもちゃんと雑用の仕事はしておかないと)」 京太郎「(ここで手を抜いたら増長してると受け取られかねないし…それは俺の本意じゃないしな)」 京太郎「(さって…それじゃ今日も元気に掃除からやっていきますか…!)」 +2 00~30 失敗 31~60 成功 61~99 大成功 ※雑用力につき+1 大成功 京太郎「(あー…インターミドルで忙しかった所為か、ちょっと汚れが目立つようになってきたな)」 京太郎「(こんなしつこい汚れが相手ならば洗剤を使わざるを得ない)」キュッキュ 京太郎「(あ、でも…よく見たらあっちにも結構残ってるな)」 京太郎「……」 京太郎「(良いぜ!お前がそんなにしつこいって言うのなら!!)」 京太郎「(まずはその汚れをぶっ壊す!!)」キュキュ +2 末尾偶数 小走先輩に声を掛けられた 末尾奇数 途中で夢中になっている自分に気づいた 小走先輩に声を掛けられた やえ「…おい、須賀」 京太郎「…」キュッキュッキュ やえ「…須賀、おい…聞いてるのか?」トン 京太郎「…え?あれ?」 京太郎「小走先輩…どうしてここに?」 やえ「どうしてじゃない…まったく…」 やえ「もう部活が終わっているぞ」 京太郎「え゛…あ…」 やえ「掃除に夢中になるのも良いが、ほどほどにしておけよ」 やえ「…と言うか、そもそも須賀は男子レギュラーなんだから、掃除なんかしなくても誰も文句は言わないぞ」 京太郎「いやぁ…まぁ、一応、俺は雑用を引き受けた訳ですし」 京太郎「任せてもらったものをちゃんと果たさないと気持ちも悪くって」 京太郎「それに頑固な汚れってこっちも結構意地になりません?」 やえ「まぁ…分からないでもないけどな」クスッ やえ「ただ…これっきりにしておけよ」 やえ「インターミドルも近いんだ。雑用よりは麻雀の方に集中してくれ」 やえ「その方が私も嬉しい」 京太郎「はい。分かりました」 【System】 須賀京太郎の雑用力が2あがりました。 小走やえの好感度が1あがりました。 小走やえは須賀京太郎の事を気にしてくれているようです。 【中学一年 ―― 7月第二週】 京太郎「(と、小走先輩には言ったものの…やっぱり雑用やんないと落ち着かないんだよなぁ)」 京太郎(…こう…俺がやらなきゃって言う意識が働くって言うか)」 京太郎「(一年で、しかも、雑用を命じられたからなんだろうか…?)」 京太郎「(でも、それにしちゃ…心の中から浮かび上がってくる感じがするんだよなぁ…)」ウーン 京太郎「(まさか本当に前世は雑用…)」 京太郎「(な訳ないかー)」ハハッ 京太郎「(それより…来週からはテストだけど…どうするか)」 京太郎「(【学力は足りてる】みたいだから、急いでやらなくても補修にはならないだろうけど…)」 +2 末尾1.2 憧と勉強 末尾3.4 部活に集中 末尾5.6 雑用に集中 末尾7.8 松実館でバイト 末尾9.0 鷺森レーンでバイト 松実館でバイト 京太郎「と言うわけで息抜きしにバイトに来た!」 宥「あれー…?い、良いの?」 京太郎「良いんだよ。別に勉強だけで人生決まる訳じゃないし」 京太郎「補修にさえならなきゃ部活にも支障はないし、なんとかなるって」 宥「うーん…それだったら良いんだけど…」 宥「あ、それと…インターミドル出場おめでとう」 宥「格好良かったよ」ニコッ 京太郎「あぁ、ありがとうな」 京太郎「ま…まだ一年だから色々とプレッシャーだけど…」 京太郎「バイトでもインターミドルでも…恥ずかしいところ見せないように頑張る」 宥「うん。楽しみにしてるね」ニコー +2 00~30 失敗 31~60 成功 61~99 大成功 成功 京太郎「ふぅ…こんなところかな」 宥「お疲れ様。はい。どうぞ」 京太郎「あ、ありがとう。…ふぅ」フキフキ 宥「少しずつ慣れてきた?」 京太郎「あぁ。何だかんだでもう三ヶ月通ってる訳だし、多少はな」 京太郎「それにまぁ、うちもカピバラ飼ってるし…暖かいのに耐性はあるんだよ」 宥「カピバラ?」 京太郎「あぁ、知らないか。えーっと…携帯携帯…あ、ほら」パカッ 宥「わぁ…♪」 京太郎「可愛いだろ?」 宥「あったかそぉ…♪」 京太郎「あぁ、うん。松実さんはそっちだよな」 宥「でも、これ須賀君の家が飼ってるの?」 京太郎「あぁ、カピーって言うんだ。結構でかいんだぜ」 宥「へぇ…そうなんだ」 京太郎「一回見に来る?人懐っこいし優しい奴だぞ」 宥「え…でも…」 京太郎「あ、ちなみにカピーは温室じゃないと生きられないから、うちに温室あるぞ」 宥「行くっ」パァァ 京太郎「よし。じゃあ、決まりな」 京太郎「何時になるか分からないけど…約束だぞ」 宥「うんっ♪えへへ…楽しみだなぁ…」 【System】 須賀京太郎のバイト力が1あがりました。 松実宥はその内、須賀家へと来るようです。 【中学一年 ―― 7月第三週】 京太郎「はぁ…」 憧「ん…どうかしたの?」 京太郎「いや、お前はすげーな、って」 憧「いきなり何を言い出すのよ…」 京太郎「いや、女子の中でも一目置かれるくらい麻雀頑張って」 京太郎「運動だって得意で」 京太郎「その上、勉強までしっかりやって、俺に教えられるくらいだし…」 京太郎「小学校の頃からさらに輪を掛けてすげー奴になったなぁ…って」 京太郎「俺も頑張ってるつもりだけど…どんどん引き離されてる気がする…」 憧「…ばーか」ピンッ 京太郎「いてぇ!」 憧「そんなのアンタだって同じでしょ」 憧「一年で男子レギュラーになって、監督や小走先輩にも信頼されて」 憧「チームに柱になって、個人と団体両方でインターミドル出場まで決めて」 憧「それなのに雑用までしっかりやって…その上、運動部に負けないくらい逞しくて…」 憧「そんなアンタも十分凄いと思うわよ」 京太郎「…そうか?」 憧「そうなの。お陰で最近、アンタの評価が高くなりすぎて…」 京太郎「なりすぎて?」 憧「う…い、いや…何でもない」カァ 京太郎「なんだよ…そんな気になるところで切るなって」 憧「し、仕方ないでしょ…あんまり言いたくない事なんだから…」 憧「そ、それより…中学に入ってそろそろ自分の新しい苦手と得意が見えてきたでしょ?」 憧「テストまでにまずはそれを克服するわよ!」 京太郎「お、おう。じゃあ…まずは…」 +2苦手 +3得意 ※数学国語理科歴史英語保健家庭科音楽の中からお選び下さい 英語が苦手 保健が得意 京太郎「英語が苦手で保健が得意かなぁ」 憧「ほ、保健!?」カァァ 京太郎「おう。…え?何か変か?」 憧「え…い、いや…別に変じゃないけど…」 憧「だ、誰に教えてもらったの?ま、まさか小走先輩に?」 京太郎「まぁ、小走先輩にも幾らか教えて貰ったけど」 憧「え…え…?!う、嘘でしょ…そ、そんな…あたしの知らない間に…」 京太郎「あれ…?そんなに変か…?」 京太郎「雑用として必要になるかもって応急処置のやり方とか教えてもらったんだけど…」 憧「ふぇ?」 京太郎「いや、だから…応急処置のやり方」 憧「…ふきゅぅ」プシュウ 京太郎「あれ…!?あ、憧!?憧ーー!?」 【System】 須賀京太郎は【家庭科が得意】を失い、【応急処置が得意】を手に入れました。 このスキルは誰かが怪我をした時の判定に+3します。 須賀京太郎は【手先が不器用?】を失い、【英語が苦手】を手に入れました。 このスキルは英語を使う判定に-3します。まぁ、そんな判定多分ねぇけどな!!! 新子憧のむっつりスケベは日増しに強くなっているようです。
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「パピ!ヨン!!」 全身黒タイツもどきの格好をして蝶々のマスクを被り、上記のような意味不明の台詞を突然吐く存在を人は何だと思うだろうか? 普通の人なら「変態だ!」といったところだろう。 当然の事ながら彼を召喚したルイズもそうだった。 (神様、これが高望みをした罰だというのですか。 出来ればドラゴンとかグリフォンがいいなとかゼロの分際で思った罰なのですか。 ただの平民では飽き足らず、変態の平民が私にはお似合いの使い魔なのですか) 絶望に沈むルイズはクラスメート達の嘲笑を覚悟し振り向いた。 だが他のトリステイン魔法学校の面々は普通の人ではなかったようだ。 「ル、ルイズが、ゼロのルイズが召喚に成功したぞ!!」 「し、しかもあれは・・・」 「「「蝶々の妖精さんだ!!!!」」」 ゼロの蝶々 ~もっと愛を込めて!~ 「いや、どう見てもただの変態じゃないか!」 「マリコルヌ・・・お前何言ってんだ?」 「蝶々の妖精さんに向かって変態だなんて」 「恥を知りなさい、恥を」 「これだから風邪っぴきは」 「ピザでも食ってろ、デブ」 自分と同じ感想を抱いたマリコルヌが周囲から叩かれまくってマジ泣きしている。 つまりクラスメート達はルイズをからかう為に「妖精さん」発言をしたのではなく、 本気と書いてマジでさっきから妙にクネクネした動きをしている物体を蝶々の妖精だと思っているようだ。 (こいつらもしかして・・・馬鹿? はっ!でもこれはチャンスよ、ルイズ! ただの平民の変態なら失敗だけど、妖精を召喚したなら大成功!! ここはそれを押し通すしかないわ!!) そう心に決めたルイズはクラスメート達に向かって叫んだ。 「蝶々の妖精さん!大当たり中の大当たりだわ! これでわたしの実力ってものがようやくあんた達にも理解できたでしょ」 「くそ!悔しいがルイズの言うとおりだ」 「ええ、なんといっても妖精さんだもの」 「妖精さんじゃしょうがないな」 「今年の使い魔品評会の優勝者はもう決まったようなもんだな」 「私もそれなりに長い教師生活を送っていますが、妖精さんを使い魔として召喚した生徒は初めて見ました。 これは誇っていいことですよ、ミス・ヴァリエール」 (こいつらもしかしなくても馬鹿だ、絶対に馬鹿だ・・・ こんな奴らがクラスメートで教師だなんて) 計画が成功したのはいいのだがルイズはちょっと泣きたくなった。 こぼれそうな涙を無理矢理押さえ込んで妖精さん(?)に向き直るルイズ。 「ふむ、いきなり武装錬金に引きずりこまれたから警戒していたが・・・ 皆蝶サイコーなセンスをしているじゃないか」 ぶつぶつと何かつぶやいてるし相変わらずクネクネしてるし、非常に話しかけたくない、というより無視してもう帰りたくなってくる。 だが自分が召喚したのは事実だし、と意を決して話しかける。 「あの・・・あなたのお名前は?蝶々の妖精さん」 「俺の名は、パピ!ヨン!!」 「ぱぴ、よん?」 ちっちっちっと指をふり先ほどよりも大きな声で両手を広げながら妖精さんは叫んだ。 「パピ(はあと)!ヨン(はあと)!!もっと愛を込めて!!!」 それが後に数々の伝説をハルケギニアに築き上げた虚無の魔法使い、ルイズとその使い魔である蝶々の妖精さん、パピヨンの出会いであった。
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「失礼しましたー。」 「おう、またな。」 「失礼しま………した。」 「おいこら帰んな、シスイ。」 「後生ですから先生、見逃してください。ケイイチさんみたいな英雄になる前に死ぬなんて嫌です。」 「てめぇはここを何だと思ってやがんだ…?あ?」 「保健室です……サバイバルナイフを頬にくっつけないでください…」 「シスイ君、分かってるならちゃんと治療は受けようね?」 「はい…すいませんでした…」 「…ったく、任務以外で怪我作んな。」 「サーセン。」 「お前みてぇな積極的に動けるアースセイバーは貴重だから、くだらない怪我で足引っ張んなよ。…ほら、終わりだ。」 「…すげー、そっちでもちゃんと丁寧にやってくれるんですね!」 「良い的があるなー、投げてみようかな?サバイバルナイフ。」 「すいませんでした!!」 クルックー 「…え、鳩?」 「あぁ、窓辺で煙草吸ってたら寄ってきたから、試しに餌付けしてたら懐いた。」 「へぇー………あぁ、そういえばさっき保健室に来てた女の子って、確かスイネさんですよね?」 「あぁ。」 「…俺の記憶が間違ってなければ、の話なんですが、先生、いっつもスイネちゃんの前だと覚醒してません?」 「そうだな。」 「え、認めるんですか?そこ。」 「嘘ついても事実だからしゃーないだろ。」 「……どうしてそうなるんですか?」 「…さぁなぁ…俺もよく分からん。」 「……無意識?」 「かもな。………あぁ、んでもひとつ思い当りがある。」 「?」 「似てるんだよな、あいつと。…それだ、たぶん。」 シスイと談話中 「記憶」 「…生きていたら、あいつもスイネぐらいの年頃だろうな…」 作者 登場人物 しらにゅい 都シスイ、スイネ、玉置静流 投下順 ののかと談笑中「マサムネ」← 41話~80話 →スザクとトキコのある一コマ
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唯「あーずにゃん、あーずにゃん! やったよ、やったよ!」ドバタバ 梓「なんですか先輩? 部室内で走らないで下さいよ」ゴソゴソ 唯「見てみて、ゲームウォッチで新記録が出たよ! すごいでしょ」バッ 梓「ゲームウォッチ? あの上から竹やりとか刀が振ってくる忍者のやつですか」 唯「そうそう。どう、褒めてもいいんだよあずにゃん!」 梓「んっふ……」 唯「あっ! いま鼻で笑ったね、ひどい娘だよ!」 梓「なんとでも言ってくださいよ。私はもうそんなモノに興味はないですから」 律「あぁ、よく言ったぜ梓。もう時代はゲームウォッチじゃないんだ」 唯「えぇ、律っちゃんまでそんな事言うの!? 私の才能に嫉妬してるんじゃないの」 律「ちげーよ。これからは、このシュウォッチの時代だぜ!」バッ 唯「シュ…シュオッチ!? なんなのその黄色いゲームウォッチは!」 律「正式名称は、シューティングウォッチ。 自分の連射能力を測ってくれるスグレモノなんだぜ!」 唯「ま、まさかあずにゃんも、このシュオッチを?」クルッ 梓「ぶっふ……ぷっぷー!」 律「あ! あきらかに馬鹿にした笑いするんじゃねーよ中野!」 梓「だ、だって、二人とも そんな白黒の液晶で満足してるんですもの…。ぷっぷー」 唯「いったいどういう事なの、あずにゃん! ゲームは白黒じゃないの」 律「そうだぜ。 シュオッチを持ってないからって負け惜しみ言うんじゃねーよ」 梓「チッチッチ…。 もうゲームウォッチもシュオッチも時代遅れなんですよ」 律「なんだと、言っていいことと悪い事があるぞ! ハドソンを侮辱するのかよ」 唯「そうだよ~。今謝ればあずにゃんにもやらせてあげるからさ」 梓「言ったでしょう時代遅れだって…。 これからはこのファミリーコンピューターの時代なんですよ!」バッ 唯「ファ…ファミリーコンピューター!?」 律「なんだコレ? でっかいコントローラーが付いてるけど」 唯「これもゲームウォッチの一種なのかな? でも画面がないよ」 梓「画面なんか必要ありませんよ」 律「いや、必要だろうが。どうやってゲームをするんだよ」 梓「このファミコンは、テレビに接続してゲームをするんです!」バッ 唯「テ、テレビでゲームを!? あの大きな画面でゲームができるの!」 律「まじかよ…、こいつはすげぇぜ…」ゴクリ 梓「驚くのはまだですよ。 しかも、同時発色数が25色。つまり色がつくんです!」 唯「カ、カラーでゲームを!?」ビクッ 梓「それじゃさっそく、このポータブルテレビに接続っと…」ゴソゴソ 唯「いいなぁ…、あずにゃんのゲームだけ。ずるいよね律っちゃん!」 律「べ、べつにぃ…。私は、このシュオッチがあるから関係ないぜ」 唯「えー。私もカラーでゲームがしたいよぉ」 梓「んーと…、こうやって、こうだから…。あれ?」ゴソゴソ 唯「どうしたのあずにゃん? 困ってるみたいだけど」 梓「上手くテレビと接続できないんですよ…。どうやるのかな」ゴソゴソ 唯「そんなケーブルじゃ、入るわけないじゃない。 この四角いパーツを使うんじゃない?」 梓「四角の? あぁ、これならテレビ側に刺さりますね」ガチャ 唯「これで大丈夫かな。いっかいスイッチを入れてみてよ」 梓「いや、待ってくださいよ唯先輩。 この四角いのは刺さりましたけど、ケーブルはどうすんですか?意味無いですよ」 唯「あ、そっか。でも、部品はこれくらいしか入ってないみたいだよ」ゴソゴソ 梓「えー…。どういうことなんですか、 これじゃテレビとケーブルが接続できないじゃないですか!」 唯「わ、私に言われても困るよぅ」 律「ぷ……、ぷっぷーぷ!」 梓「あ、何ですかその可哀相な子を見るような笑い方は!」 律「いやーゴメンゴメン。お前らの様子が滑稽だったからね」ツヤツヤ 梓「なんですかその勝ち誇ったような顔は…。なんだか腹が立ちますね」 唯「ひどいよ律っちゃん。律っちゃんなら接続できるっていうの?」 律「あぁ、そりゃもちろんだぜ。こんなの朝飯前過ぎてヘソで茶を沸かせるぜ!」 梓「ほ、本当ですか!? だったら、やってくださいよ。早く!」 律「おーっと、ちょっと待つんだな。ひとつ条件がある」サッ 梓「条件ですか? なんなんですかそれは」 律「接続できたら、まず一番最初に私にやらせること。いいな」 梓「えー、なんですかソレ! ずっこいですよ、興味ないみたいな事言ってて」 律「だったらいいんだぜ。私はシュオッチで楽しんどくから」 梓「ぐっ…、なんて卑怯な。それでも部長ですか!」 唯「あずにゃん落ち着いて。 ここは冷静になるんだよ。ここで断ったらファミコンできないんだよ」 梓「そ、それはそうですけど…」 唯「条件を飲めば、あずにゃんは私の後。つまり三番目にプレイできるんだからさ」 梓「ちょっと待って下さいよ! なにさりげなく割り込んでるんですか。私が二番です!」 唯「ちぇ~。さすが鋭いねあずにゃん」 律「おっし、それじゃ取引成立って事だな」 梓「仕方ないですねぇ。わかりましたよ」 律「んじゃ、準備しないとな。 確か、倉庫の中にニッパーとかがあったっけか…」ゴソゴソ 梓「準備? なんでファミコンをするのにニッパーなんて必要なんですか」 律「少しは説明書でも読むんだな。ほれ、ここに書いてあるだろ」サッ 唯「RFスイッチにアンテナプラグを取り付ける…。うわっ、ナニコレ!」 梓「こんなの子供だけで出来る訳ないじゃないですか! 一体何を考えてるんですか」 唯「酷いよねぇ。でも律っちゃんが居てくれて助かったよ」 梓「そうですね、こういう事だけは器用ですから」 律「だけは余計だってーの。コレをこうやって。………あ!」ブッチ 梓「…………え?」 律「……あ、うん」グイグイ 梓「うん。じゃないですよ? 大丈夫なんですか。 なにか今、やっちゃったなぁみたいな声出しませんでした?」 律「……ん? ばっかだなぁ、ぁずさ。そんな訳ないじゃぁ…」グイグイ 梓「え? 何ですか、 語尾が小さすぎて聞き取れなかったんですけど、本当に大丈夫なんですか?」 律「……ぇぃ」プチッ 唯「…!? け、ケーブルがぁ! り、りっちゃぁん、ケーブルが切れっちゃたよ!!」ガダダダッ! 梓「な、なにやってんですか先輩!! ケーブルはこの一本しか無いんですよ!」グイッ 律「あぁ……、今は後悔してる」 梓「航海でも何でもして来て下さいよ! そんな事よりファミコンが!!」 律「……人生何が起きるか分かんねぇな」 唯「待って、あずにゃん! セロハンテープでくっつかないかな!」サッ 梓「無理に決まってるじゃないですか! ファミコンは精密機器なんですよ、子供の工作じゃないんですから!」 唯「で、でももしかしたら。……ってあれ?」 梓「どうしたんですか? 何か方法でも!」 唯「このケーブルって金太郎アメみたいになってるよ」 梓「金太郎アメ? どういう事ですか」 唯「間違って切断しちゃっても、 切断した部分からまた保護ビニールを剥けばいいんだよ」 律「……!?」ガバッ 律「あ、あぁ! 実はそういう事だったんだぜ。 つまり、お前らは私に踊らされただけなんだぜ!」ビッ 唯「そ、そうだったんだぜ!? てっきり騙されちゃったよ!」 梓「ハッタリに決まってるじゃないですか…。 一番踊らされてたのは律先輩でしょ」 律「うるせー。こんなややっこしいケーブルにするからイケナイんだよ! なんで最初から接続されてないんだ」 梓「う~ん…、コスト削減とかそういう事なのかな? F1並のスペックを大衆車の価格で売ってるようなものですから」 唯「へー、そうなんだ。オモチャ会社も大変なんだね」 梓「まぁ、推測ですけど。それよりも今度は気をつけてくださいね。 ちょっと短くなっちゃったんですから」 律「分かってるって。私のドラムさばきは知ってるだろ。 こういう小手先の作業は朝飯前だぜ」 梓「思いっきり失敗してましたけど…」 唯「あずにゃぁーん! 汗っ!」グルッ 梓「え? あぁ、はいどうぞ。 …というかこんな近いんだから聞こえますよ」サッ 唯「律っちゃん、大丈夫かな! 頑張って、律っちゃんならきっと出来るよ!」フキフキ 律「し、集中力が乱れる…。唯ちょっと静かに…」サクサク 唯「ここからは、カッターで慎重にいったほうがいいかな!?」 律「あぁ、そうだな…。ニッパーだとまたケーブル事いっちまう…」サクッ 唯「あずにゃぁぁーん!! メスぅ!」グルッ 梓「だから、聞こえますってば……」サッ 律「後は、こうやって一周して…。ケーブルを剥がせば…」キュキュ 唯「あーずにゃぁぁんっ!! ピンセットぉおぉ!!」グルッ 梓「だ・か・ら、うるさいですっ! そんなのありませんよ!」 2
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1日目の業務は、同僚となるメイドさんたちへの自己紹介、清掃用具等各種備品の配置、舞波さんから私への引継ぎ等で終了した。お嬢様は朝食の後また睡眠を取られてしまって、その後もすれ違いが続いてしまったため、挨拶はできなかった。 「はー、疲れたぁ。」 「ふふ、お疲れ様です」 午後18時30分。終業時間。 10畳程の部屋に、私と舞波さんは並んで腰を下ろした。 ここは住み込みのメイド専用のお部屋。舞波さんが出て行く日まで、2人で共有させてもらうことになっている。 「とりあえず、楽な格好に着替えましょうか」 舞波さんはよっこいしょと立ち上がると、おもむろにエプロンを外して、ワンピース型のメイド服を一気に脱いだ。 「うわあ」 「えっ?」 意外と胸大き・・・じゃなくて、こんなおとなしそうな顔して、何て大胆な!舞波さんはお口あんぐりな私の顔を見て、「あっ、そっか」何てつぶやきながら、そそくさと私服のワンピースに着替えた。 「ごめんなさい、私、ちょっとおかしいみたいで」 「おかしい、って」 私もパーカーにハーフパンツという楽チンな格好に着替えつつ、舞波さんの話の続きを待つ。 「なんていうか、人と恥ずかしがるポイントとか、笑ったり怒ったりするポイントが違ったり。今もそんな感じなのかな・・・私はあんまり、人がいても平気で着替えたりしてしまうけど、やっぱり普通は隠しますよね?」 「いや、えーっと・・でも、そんなに気にしなくてもいいと思うけど」 その横顔があんまり寂しそうに見えたから、私は慌てて言葉をつないだ。 「私の友達・・・だった子にも変わった子はいますよ。すっごい可愛くてオシャレなのに、好きな食べ物がスルメだったり、チー鱈とかおつまみ系ばっかりなの。私自身も、自覚ないけど、結構考え方おかしいって言われるし。 だから、うーん、何かよくわからないけど、別に気にすることはないと思うんですけど。さっきはびっくりしちゃっただけで、引いたとかそういうことでもないし」 自分でも何を言いたいのかよくわからないけど、この人の悲しそうな顔というのはあんまり見たくない気がして、必死にフォローしてしまっている。 そんな私を、目をパチパチさせながら見ていた舞波さんは、やっと表情を崩して笑ってくれた。 「優しいんですね。」 「いや、全然。私なんて、本当ワガママで・・・」 「めぐさんは、お嬢様に似ているのかも。めぐさんと話してると、ちゃんと笑ったりできる」 舞波さんは大きな出窓まで移動して、その縁に腰掛けて私に向き直った。どっちかと言えば童顔な可愛らしい顔が、うっすら暗くなってきた夕闇の中で、憂いを感じる大人びたものに見える。 「私ね、宇宙人なんです」 「え?あはは・・・」 私の乾いた笑い声は、舞波さんの真剣な顔を見ていたら、すぐにしぼんでしまった。 「だから、もうずっと黙っていようと思って。なるべく存在を消して、感情も消して、いるんだかいないんだかわからなくなればいいのかなって。宇宙人だと迷惑をかけるけど、透明人間なら、誰にも気づかれないでしょ?」 「ごめん、言ってる意味が」 「このままおとなしく生きていれば、誰にも迷惑をかけないし、自分が苦しむこともない。それが最善のはずだったのに。私はやっぱり弱くて」 どうしよう。舞波さんのこの話の行き先が読めない。淡々と話しているのに、その表情は明らかに思いつめていた。 最初から順序立てて説明してもらえる雰囲気でもない。かといって、今口を挟んで止めることもできない。私は両膝の上で拳を作って、ただじっと見守ることしかできなかった。 ――♪♪♪ その時、張り詰めた部屋の空気を破るように、内線電話の軽快な音が鳴り響いた。 「あ・・・で、出ます」 私は慌てて立ち上がると、何もないところで蹴っつまずきながら、ヨロヨロと電話を取った。 「はい、村上です」 “・・・あ・・・・あの、私、です。えと、” ちょっと鼻にかかる声。フガフガした舌ったらずな喋り方。 「千聖お嬢様、ですよね?」 “え、えぇ、そうよ。勤務外時間にごめんなさい” 「いいえ、今、舞波さんに代わりますね」 “あ・・・違うの。舞波ちゃんじゃなくて、村上さんに” 「私ですか?」 “今、千聖の部屋に来ていただけるかしら?もう私服に着替えているなら、そのままで結構よ” 「でも・・・」 私はチラリと舞波さんの方を伺った。あんな状態の彼女を、一人にしておくのは気が引けた。 “行ってあげて” だけど、再び目を合わせた舞波さんは、もういつものおっとり優しい顔に戻っていた。口パクで私を促すと、エクボを見せてにっこり笑う。 「・・・・わかりました。参りますので、少々お待ちください。」 お嬢様が受話器を置く音を確認してから、私も電話を切る。 「千・・・お嬢様に、呼ばれたんでしょう?行ってあげてください。お嬢様、とても寂しがりなんですよ。・・・さっきは、ごめんなさい。もう平気ですから。」 「・・・はい。それじゃ、ちょっと行ってきます。」 少し照れくさそうに鼻の頭をかく舞波さんの表情で、私は、とりあえずもう大丈夫だと判断した。・・・・というか、一人になりたいのかな、ってなんとなく思ったのもあった。 スリッパの音を派手に立てないよう、廊下では小走り以上のスピードを出さないよう気をつけながら、私は舞波さんにもらったお屋敷の地図を片手にお嬢様の部屋を目指した。 「・・・遅かったのね。」 迷路のように入り組んだ(というか私の方向感覚のせいだけど・・・)お屋敷中をさまよって、やっとたどり着いた部屋の前には、腕組みをしたお嬢様が待っていた。 「すみません、迷ってしまって。」 「まあ。初日ですものね、千聖のおうちは広いから。さあ、中に入って。今、お茶を入れてもらうから」 「いえ、そんな、おかまいなく。私はメイドですし」 「今は違うわ。勤務時間を過ぎたら、千聖のお客様よ」 「はぁ・・・」 どうやら、子供っぽいとばかり思っていたお嬢様は、公私をしっかりわける分別がきちんとついていて、案外しっかりしたところもあるらしい。 そりゃそうか、一面に触れただけじゃ、その人の全体像なんてつかめるはずもない。ふと、さっきの舞波さんのことが頭をよぎった。 「そちらに座って。」 シンプルだけど、重厚でセンスのいい調度品に見入っていると、後ろから軽く服を引っ張られた。 促されるままに、アイボリーの大きなソファに腰掛ける。うわ、体が沈む。これは相当な高級品だろう。ちょっと緊張して、背筋が伸びる。 「あ・・・あの、ご立派な調度品ですね。この応接用のソファも、大きくていっぱい人が来ても大丈夫そう」 「・・・そんなにたくさん、お客様が来てくれることなんてないわ。学校にも、お友達はほとんどいないから」 「えー・・・と」 つい先日は、キャンキャンほえる子犬みたいに、私を威嚇していたお嬢様。なのに今日は打って変わって、なんだかしおらしい。 「初日のお仕事は、どうだった?舞波ちゃんは、村上さんはとても優秀で飲み込みが早いとおっしゃっていたわ。」 「恐れ入ります。まだ不手際もたくさんあると思いますが、明日以降もこちらで働かせていただけたら幸いです。」 「そう。」 自分から振った話題なのに、お嬢様はつまらなそうな顔をしている。 「あの・・・」 「なぁに?」 「何か、お悩みになっていることでも?」 「まぁ・・・どうして、そう思うの?私は村上さんを、お茶に誘っただけかもしれないのに」 レモンティーをかき混ぜていた、丸っこい指が止まる。黒目の大きな、茶色がかった瞳がこちらに向けられて、私は少しドキッとした。 「新人の、今日から勤務の私を、いきなり誘ってくださるとは思えません。それに、お嬢様は何だか寂しそうです。」 「寂しい・・・?あぁ、そうかもしれないわね。」 お嬢様はあいまいに笑うと、少しだけ私のほうへ体を寄せてきた。 「舞波ちゃんが、村上さんは鋭いって言っていたけれど・・・本当にそのとおりね。確かに、雑談のためにここへ来てもらったわけじゃないの。お願いがあって。」 「お願い、ですか。」 小さな唇から、ため息がこぼれる。一瞬伏せた目をまっすぐ私に向けると、お嬢様はよく通る声で言った。 「村上さん、舞波ちゃんを引き止めて。」 戻る TOP 次へ コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
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曲名 BPM ノーツ 属性 コメント 未分類/Comming soon 入門 こっち向いてBabyEX 185 649 高速連打弱連打難読譜面縦同時押し 譜面的にはマージナルのパワーアップ版といえる。よりカラフルに、ボタン切替が忙しくなったことで押し間違い、SAFEが出やすく達成率が伸びにくい。難所は中盤の△連打と同時押しの絡み。△連打のリズムを崩さないことが重要。また、ラストの単押し→同時押しは見切れなければ暗記するのが楽。 スノーマンEX 127 639 低速リズム難各種連打縦同時押し 曲が長く、短い16分連打が頻繁に出てくるものの極端な殺し部分はなくBPMも遅めなのでリズム難に慣れている人にとっては☆8強ぐらいの体感難易度。間奏には16分交互6連打、後半には16分9連打も出てくるので☆8.5上がりたてのプレイヤーにとっては地力上げにも最適な譜面と言える。 DYEEX 158 658 リズム難難読譜面(刻み)連打弱連打交互スライド難 8分交互や連続スライドなど切り替えに特化した譜面。十分な見切り力があれば逆詐称レベルだが、見切り力がないとあっという間に閉店に追い込まれてしまうことも。慣れないうちは赤WRONGでごまかすのも手だが、達成率不足にはくれぐれも注意。 PIANO*GIRLEX 130 642 低速弱連打リズム難縦同時押し回転押し 同時押しと単押しが交互に混ざった連打が要所に出てくる。多少リズム難だがBPMが遅めなので、同時押し⇔単押し混合連打の練習には最適。 Magical Sound ShowerEX 120 540 低速リズム難 攻略のポイントとしては曲特有のラテンリズムをいかに理解できるか、にかかっている。低速だが全体的に忙しく、二番冒頭のボーカルと異なるリズムで叩く箇所が最大の難所。HARDとは□・△の配置が微妙に異なるので注意。曲をよく聴きこもう。HARDと殆ど難易度に差がなく、HARDの方が難しいのではという声も後を絶たない。問題の箇所のリズム:タンタン タンタンタンタタンタン 恋スルVOC@LOIDEEX 130 455 低速弱連打縦同時押し(縦連)交互階段崩れスライド難 BPMが130と遅めなので見切りやすいが、縦連やスライドがらみの縦同時押し地帯には注意。途中に16分階段崩れがあるものの5連打以上の16分連打はないので☆8.5にしては易しめな譜面といえるか。 ゆめゆめEEX 160 663 縦同時押し連打弱連打(初見)ラス殺し EXにスライドとプチ扇風機配置を加えて純粋に強化した感じの譜面。ラストの初見殺しの円形ノーツ配置も健在だが、この曲のEX譜面をクリアできる人ならそこまで苦戦はしないだろう。 弱 AbsolunoteEX 142~189(71~210) 422 速度変化リズム難(低速)(高速)(シャッフルリズム)初見殺し難読譜面弱連打交互連打同時押し 何回も速度が変化するが、曲の変速以上に譜面の変速が大きい。落差がひどいので、変速直後は警戒が必要。初見では変速に対応し辛く、☆9にも感じるかも。最低限曲のテンポを抑えてから挑みたい。初見でなくても低速部分は非常に遅いため常に早押しsafeに注意しなければいけない。終盤の縦同時地帯を見切れても手を動かしづらいなら達成率不足に注意しつつwrongで凌ごう。 ODDS&ENDSEX 192 657 高速交互連打同時押し BPMが速めで切り替えが多いものの、16分が一切ないので見切り力があればそれほど苦戦しないだろう。ただし、初見の人はイントロのスライド地帯→○△交互地帯とラストの全押し→○→全押し→×→全押し→□→全押し→△に注意。 Equation+**EX 140 561 リズム難弱連打高速連打交互 サビで頻発する16分連打はPane(BPM270)の8分より少し速い。譜面は曲通りではあるが、中盤以降の連打、終盤の交互連打でSAFEやWRONGを誘発しやすく、達成率が伸び悩むことも。中盤にはココロEXにも出てきた同時片ホールドが数ヶ所あるが、無理はしないように。「連打が得意」ならばPane同様、少し簡単に思えるかもしれないがそれよりもある程度譜面を覚える方が重要だったりする。中寄りの弱。 saturationEX 137 529 連打交互弱連打局所難初見殺し 開始直後の5連×8回は裏拍なのでタイミングに注意。後半部分の細かい連打部分はリズムに合わせればタイミングが掴めるはず。BPMは遅めだがテンポがかなり速い上にマークの組み合わせがコロコロ変わる。最悪閉店の可能性もあるが、最後以外は一回の連打数は2つずつなので両手で落ち着いて捌こう。 ネコミミアーカイブEX 164 777 リズム難弱連打縦同時押し 全体的にリズムが取りづらいので、まずはそこを克服しよう。5連以上の16分連打はないが、2番サビから軸押しのオンパレード。これが得意かどうかによって体感難易度が大きく上下する超個人差譜面。軸押しが苦手な人はベティなどで軸押しの練習をしてから挑もう。 ヒビカセEX 140 777 リズム難弱連打高速連打縦同時押し ややリズム難だがBPMがあまり速くなく、高速連打も終盤に5連打が一ヶ所あるのみと☆8.5にしては比較的やりやすい譜面。ただし曲が非常に長く(4分ほど)、後半は弱連打と同時押しの組み合わせが複雑化するので注意。 ブラックゴールドEX 250 626 高速リズム難連打 難易度は星屑以上Pane以下といったところか。Paneがクリアできている人ならこちらもクリアできるだろう。ただし連打中に切り替えがあったり最後が同時押しになっていたりとPaneより難しい要素もあるので注意。 ミラクルペイントEX 215 392 高速シャッフルリズム弱連打 シャッフルリズムでもリズムの取り辛さはフキゲン以上だがほとんど単押しかつ非常に曲に忠実な譜面。曲の知り具合で大幅に難易度が変わってくる。知っていれば☆8.5内では簡単な方だが、うろ覚え以下だと詐称級に感じることも。ノーツ数は少ないのでHard同様聞き込んで覚えてしまおう。 指切りEX 195 524 高速シャッフルリズム弱連打高速連打縦同時押し難読譜面 夢喰い白黒バクの上位互換譜面。同位置同時押しや12分同時押しなど、ノーツ配置に癖がありシャッフルリズムが苦手だと体感難易度は上がるので注意。間奏の12分2連打ラッシュは羅刹EXで練習しておくといいだろう。 愛言葉EEX 136 433 低速初見殺し難読譜面交互同時押し扇風機(もどき) EXの最大の難所だった扇風機地帯が交互8分+全押しの大回転配置にパワーアップ(?)。ただEXに同じくそこさえ突破出来ればあとはさほど難しくない。「笑いたいんだ」の部分や終盤の「愛言葉」の部分が円形のノーツ配置になっていて一見難しいように見えるが、実は4分の全押しなので曲通りに押していこう。なお、アウトロにもスライド交じりの扇風機地帯があるが、4分なので落ち着いて捌けば問題ないだろう。 カンタレラEEX 144 538 弱連打高速連打縦同時押しスライド難 EXに比べて譜面がより曲に忠実になっているのでリズム難は抑え目だが、その分カラフル度・物量が大きくパワーアップ。スライドの配置も結構いやらしく、メランコリックEXの上位互換といった感じか。 こっち向いてBabyEEX 185 657 高速連打弱連打難読譜面縦同時押しスライド難 イントロのボタン2-スライド1混合連打、2番サビ前の△軸部分、第2間奏終盤のスライド・単押し・同時押し混合連打はある程度見切り力が必要。逆に終盤の単スライド+同時部分は他の曲で慣れていればそこまで難しくはないはず。 ZIGG-ZAGGEEX 138 538 リズム難弱連打高速連打交互縦同時押し 同時押し含みの16分とスライドの複合が非常にいやらしく、リズム難なのも相まって慣れないうちはなかなか達成率が伸びないだろう。難所の高速連打地帯は間奏では7連打ずつ、ラスト前では○8×8(△□)HOLD になっているので覚えておこう。 パズルEEX 85 417 低速弱連打高速連打難読譜面縦横同時押し EX譜面に比べ高速連打や複雑な同時押しが増えたため、初見では戸惑うかもしれないが、幸いにしてBPMが遅いのでノーツが現れてからでも見切る余裕は十分にある。終盤では同時押し・スライド混合地帯が出てくるが慌てず落ち着いて捌こう。 Hello, WorkerEEX 168 579 リズム難弱連打縦同時押し交互階段崩れ ☆8.5としてはあまり連打力は要求されず、どちらかと言えばリズム難譜面の印象が強い。後半の縦同時押し地帯は慣れるまではWRONGの連発になるだろうが上手く見切れるようにしたい。 Fire◎FlowerEEX 153 504 リズム難弱連打同時押し交互回転押しスライド難 EX譜面よりもスライドの配置がいやらしく、「同時押しの直後にチェーンスライド」が繰り返されたり、終盤には通常ノーツとスライドが交互で出現したりする。また、間奏の弱連打ラッシュでミスを連発しすぎて閉店しないよう注意。 星屑ユートピアEEX 240 504 高速連打縦横同時押し EX EXTREMEになっても相変わらず弱連打や交互連打の類は存在しないが、EXに比べて同時押しの配置がいやらしくなっている。連打→同時押しの接続は確実にできるようになっておきたい。特にパフェ狙いの人はラストの縦横同時押しに注意。 ほしをつくるひとEEX 117 448 低速リズム難弱連打高速連打縦横同時押し難読譜面 EXを純粋に強化した感じの譜面で、イントロ&アウトロの高速連打ラッシュは健在。EXに比べて同時押しの配置がかなり複雑になっているので注意。中寄りの弱。 moonEEX 150 445 弱連打交互連打回転押し縦同時押し 要所に16分交互連打や16分階段崩れがあるものの、リズムがつかみやすくBPMも速すぎず遅すぎずで難易度の割にはとっつきやすい。チェーンスライドのおかげで達成率は稼ぎやすいので交互連打や階段崩れの練習には最適な曲と言える。 Mellow YellowEEX 200 561 高速リズム難同時押し交互回転押しスライド難初見殺し 16分こそないが、BPMが速いうえに全体的にスライドと同時押しの混合が多くかなり忙しい譜面。チェーンスライドが多いので達成率は稼ぎやすいものの、ラスサビの全押し4連打の配置は縦連と見間違えやすいので初見プレイでは特に注意。 ロミオとシンデレラEEX 170 707 高速弱連打縦同時押し交互総合譜面 EXに比べて間奏の同時押しが若干緩くなり、後半サビの弱連打も全部擦り切れ交互になっていくらか捌きやすくなった。とはいえ、スライドの追加や縦同時押しの増加など譜面全体のカラフルさは相変わらず健在なので決して侮らないように。 中 アゲアゲアゲインEX 175 718 リズム難連打弱連打交互連打縦同時押し(縦連) 8分交互と2つ切り替え連打がメインで、要所に同時押しが絡んでくる。毎回のサビの終わりで4分交互→8分交互→16分交互と速くなる部分には注意。またラストサビでは単押しと同時押しの交互が、アウトロでは同時押しラッシュが待ち受けているので最後まで気を抜かないように。 1925EX 145 668 シャッフルリズム弱連打交互連打同時押し階段崩れ 間奏の3-3、2-1配置とラスサビの単押し・同時押し混合12分、アウトロの階段崩れ24分が難所。体感的にはイヤイヤ星人EXが速度変化せずに1番パートより若干遅い速度のまま、といった感じか。シャッフルリズムに慣れているかどうかで体感難易度は違ってくるだろう。 え?あぁ、そう。EX 192 593 高速連打縦同時押し交互回転押し初見殺しラス殺し イントロの2つ切り替えメインの8分長連打、間奏の軸連打地帯、アウトロの折り返し回転押し&交互含みの8分長連打が難所。イントロはセーフティゾーンなので大丈夫だが、それ以外でつまづくと最悪閉店に追い込まれることも。曲が短めで16分が一切ないため体力譜面の印象は薄いが、休みがほとんどないので集中力を切らさないよう注意。 カラフル×セクシィEX 220 536 高速シャッフルリズム弱連打 本家(カラフル×メロディ)のシーケンスにシャッフルリズムの要素を取り入れた癖のある楽曲。ボタン切替は本家より素直だがシャッフルリズムのせいでSAFEを乱発しやすい。ただ連打はほとんど2連打で、階段押しもそう多くないのでいかにリズムを理解できるかがクリア成否のカギ。ラストはこっち向いてbabyを彷彿させるかのような同時押しの絡んだ△連打が待ち構えている。若干見切りやすいが勢いで連打するとエライ目に遭うので気をつけよう。 キミにEX 134 635 低速連打弱連打交互連打高速連打階段崩れ ほぼ歌合せで交互を除く様々な弱連打が登場する譜面。途中には交互連打があり、後半からは2-1の弱連打地帯が、終盤には階段崩れも出てくるので慣れるまでは大変。BPMが遅めで譜面自体も単純なので慣れれば楽しく叩けるだろう。弱寄りの中。 金の聖夜霜雪に朽ちてEX 185 656 高速連打弱連打リズム難縦連ラス殺し 曲の長さ約3分、ノーツ数656と密度は高め。△地帯がPSP版よりパワーアップ。だがそれっぽく押してるだけでもクリアに差し支えはない。終盤は縦連が終曲直前まで続く。ある程度できないとスコアが伸びきらず、クリアが怪しくなる。縦連は最初は見切りやすいが徐々に難しくなる。崩れたときはWRONG判定で凌ぐことも考えよう。 壊セ壊セEX 116 587 低速リズム難弱連打高速連打縦同時押し交互 エデンを強化してスライドを加えた感じの譜面。低速だが弱連打が非常に多く、判定が若干遅めなのである程度聞きこんでいないとSAFEの量産になってしまいがち。同時押し絡みの16分もあるので瞬時に手が動くようにしておきたい。 サンドリヨンEX 147 557 弱連打縦同時押し(縦連)回転押し難読譜面 HARD以下とは違い、アドレサンスEXとは全く別傾向の譜面。スライドこそないものの全体的に同時押しが多く、特に終盤は縦連が延々と続くうえに横同時押しや縦4まで混ざってくるなど難読化しているので注意。数は多くないが16分階段崩れがあるのも地味に厄介。 ジュゲムシーケンサーEX 200 597 高速難読譜面縦同時押し連打弱連打刻み連打初見殺し 傾向は恋は戦争に近いが密度がかなり濃く、覚えるまでが大変。なにより特徴的なのが新傾向の譜面配置。「ハートの形」を作るための配置といっても過言ではない。このほかにも一点集中譜面が多かったり、ところどころにある難読譜面に悩まされたりして、初見だと閉店に陥る危険性が高い。ただしほとんど単押しであり、わかってしまえばそこまで難しくないので、慣れてからが勝負といえる。 SYMPHONIC DIVE -DIVA edit-EX 155 435 ラス殺し高速連打縦連 一応ソフラン(速度変化)以外の譜面対応力を試されるものの、特に連打力と同時押しスキルが重要視される。ちなみにアウトロでは☆9でも問題になる縦連に加え、非常に見切りにくい横同時押しのラス殺しも待ち構えている。ラストで手を止めると閉店しかねないので、ある程度暗譜するまではWRONGごり押しで切り抜ける勇気も必要。強寄りの中。 slumpEX 170 591 リズム難難読譜面各種連打 かなりの難読譜面なので予習推奨。特に「スランプです」の5連打がだんだん縦同時を交えてどんどん難読化していくので注意。また高速詠唱部分の連打が歯抜けになっているので譜面をよく見ること。強寄りの中。 透明水彩EX 185 603 高速交互連打縦同時押し 間奏とラストの高速交互連打が非常に厳しく、手を止めるとあっという間に閉店する。慣れるまでは力技で押し切ろう。道中は聖夜H並の高密度でかつ、後半以降はカラフルで見切りづらい譜面が続く。このレベルにしてはやや高めのスキルを求められるので上級譜面への練習曲に。強寄りの中。 KnifeEX 110 683 低速リズム難弱連打高速連打交互縦横同時押し BPM110と低速でリズムが取りにくいうえに16分連打が多いので、SAFEなどで達成率が伸ばしにくい。レンパートの16分○×交互や△□交互は慣れないうちはライフが削られやすいが、連打速度はそこまで速くないので交互連打の練習には最適。また、同箇所を含むHOLDしながらの交互連打・高速連打やサビの縦同時押しの片HOLDが全体を通して多いので、自信がなければ無理せずHOLDは捨てよう。終盤にある16分交互スライドの方向にも注意。弱寄りの中。 数多の舞-Dance of many-EEX 183 527 高速連打弱連打交互連打縦同時押し(縦連)変則回転押し難読譜面 縦連や階段崩れ、連続交互スライドなど全体的に切り替えが激しいので見切り力がないと厳しい。特に間奏部分の16分階段崩れはBPMの速さも相まってかなりの難所となっている。 キャットフードEEX 174 715 同時押し弱連打交互連打(変則)回転押しスライド難 EX譜面に比べてスライドの配置がいやらしく、特に単スライドとダブルスライドの交互はミスを誘いやすくなっている。また、16分交互や階段崩れなども追加されているので注意。 恋は戦争EEX 175 360 初見殺し連打難読譜面縦横同時押し EXに比べてさらに難読譜面が強化された。特にラストの縦横同時押しはエアDIVA推奨。なお、途中のトライアングル三つ同時押し配置のなかに△の片HOLDが混ざってるのでハイスコア狙いの人は見落とさないように。弱寄りの中。 深海シティアンダーグラウンドEEX 170 711 連打難読譜面交互縦同時押し階段崩れ EEXになっても相変わらず16分連打はないがカラフル度はEXよりも更に上がっている。EXのサビにあった縦連部分が軸連打や単押し同時押し交互に変わっているので、運指が重要になってくる。アウトロ前の単押し+同時押し部分は腕をクロスさせた方がやりやすいかも。 ネトゲ廃人シュプレヒコールEEX 175 787 連打弱連打高速連打交互連打スライド難 基本的にEXの純粋強化譜面だが、EXと比べて全体的に弱連打や高速連打が増えている他、16分交互5連打が加わっている。一部の同時押しノーツの飛び方がトリッキーになっているので初見では注意。 ハトEEX 200 454 高速シャッフルリズム交互 ノーツの一部がPSP版2ndのEXのようなシャッフルリズムになり、EXとはまるで別物のような感じになった。なお、EXの難所の一つであった2つ切り替えの長連打はチェーンスライドに変わったため消滅している。 花舞月詠譚EEX 180~185 468 速度変化高速難読譜面リズム難弱連打交互連打同時押しスライド難 EXにスライドと交互連打を加えて難読性をさらに強めた譜面。特に同時押しの配置がトリッキーで分かりづらいので、あらかじめ完奏モードで予習しておくといいだろう。 VOiCE -DIVA MIX-EEX 135 561 低速リズム難各種連打難読譜面 EXの16分2-2-2-2が全部交互連打(ただし切り替えあり)に変わったのを強化とみるか弱化とみるかで体感難易度は変わってくるが、全体的に見れば間奏の難所部分を中心に難易度が底上げされたとみていいだろう。弱寄りの中。 迷子ライフEEX 180 547 高速連打交互同時押し局所難初見殺しラス殺し 間奏とアウトロの長連打地帯は慣れないうちは閉店の恐れがあるが、16分が一切なく、カラフル度も若干抑え目なので完奏モードでの練習が非常に効果的。難易度的には恋戦EEXとほぼ同程度(弱寄りの中)といったところか。 magnetEEX 108 593 低速リズム難難読譜面弱連打高速連打交互連打(高速)回転押しスライド難 ほぼMagical Sound Shower(EEX)の下位互換譜面。相変わらずリズムが取りにくい上に交互連打や回転押しが頻発する。ノーツ間隔がBPM通りになった分、譜面がやや見づらくなっているので注意。 ミラクルペイントEEX 215 407 高速シャッフルリズム弱連打縦同時押し スライドの他にEXにはなかった縦同時押しが追加されている。リズム自体はEXとほぼ同じなので、曲の知り具合で大幅に難易度が変わってくる。強寄りの中。 強 アカツキアライヴァルEX 125 709 低速弱連打高速連打縦連(速度変化) 譜面自体のBPMは125と遅いが、ターゲット速度が速くなる部分(イントロ・サビ・間奏・アウトロ)で弱連打や高速連打が大量に出てくるので譜面BPMの遅さの割に連打力がかなり要求される。HARD同様ターゲット速度は変化しても連打速度は変わらないので騙されないように。中寄りの強。 AFTER BURNEREX 173 554 リズム難連打弱連打高速連打交互連打縦同時押し 長い16分交互連打や16分3連打ラッシュなど高いレベルの総合力が必要なのはもちろん、中盤の歌詞合わせでないパートにも要注意。12分長連打で崩れて一気に閉店、なんてこともあるので熟練者でも油断禁物。 君の体温EX 220 829 高速リズム難各種連打同時押し難読譜面 BPM220とただでさえ高速な上にリズム難、8分長連打あり、16分階段崩れあり、交互連打あり、おまけにトリッキーな配置の同時押しありと速度変化以外ほとんど何でもありの譜面。体力とテクニック、どちらか一方でも不十分だとクリアは厳しいだろう。 システマティック・ラヴEX 136 583 初見殺し低速リズム難弱連打交互連打縦同時押しスライド難難読譜面 低速だがリズム難、難読譜面に加え高速連打とスライドが複雑に絡み合うため慣れないうちはSAFEやSAD、WRONGを連発して達成率が伸びにくい。リズム難は曲を聴きこむorHARD以下をやりこむ、集中交互連打や縦同時押しなどの難読譜面は他人のプレイを見るor動画であらかじめ予習しておくのが効果的。 SING & SMILEEX 190 743 高速弱連打交互縦同時押し BPM190と高速なうえにサビ直前や間奏など要所で弱連打が容赦なく襲ってくる。後半は切り替えが激しくなり縦3・縦4の同時押しも出てくるが、やはり弱連打ラッシュを上手く捌けるかどうかがクリアへの鍵となるだろう。 そいやっさぁ!!EX 180 587 高速難読譜面連打弱連打縦同時押し Aメロにジュゲムのような連打+交互16分3連打、中盤からは弱連打ラッシュが多くBPM以上の体感速度になるかも。幸い5連打以上の16分連打は存在しないので高速長連打が苦手な人にとっては狙い目かもしれない。ただし各弱連打は孤独と同じ速さ。体感以上に速いので注意。間奏に若干長めの縦同時押し地帯があるが、水彩やサイバネの要領で見極めよう。 多重未来のカルテット -Quartet Theme-EX 150 474 リズム難高速連打弱連打縦同時押し 開幕、間奏のsaturationを彷彿させるリズム難、間奏の後半とアウトロにある16分の4連打地帯を上手く捌けるかがポイント。間奏15連打はフキゲンラストの要領で、自分に合った連打方法を研究するとよい。譜面を覚えるまでは閉店することも多いのでプレイ動画を見たりやりこんだりしよう。 なりすましゲンガーEX 178 742 各種連打縦同時押し(縦連)総合譜面 全体的に長めの連打や交互が多く、16分交互・序盤の弱連打ラッシュ・同時押し折り返し配置など各所に難所が散りばめられている。後半は縦連が多めで、軸連打や縦4の5連打なども出てくるので総合力が問われる譜面といえる。 右肩の蝶 -39 s Giving Day Edition-EX 140 649 リズム難難読譜面弱連打高速連打縦連 孤独ほどではないが、旧版譜面からいろいろ変化している。序盤だけでも16分4連打や16分交互長連打と弱連打の組み合わせ、リズム難が強化されたりと既にカオスとなっている。中盤ではVOiCEのような2-2-2-2の16分8連打が存在する。終盤は16分切替連打がメインに、ラストの弱連打は同時押しの組み合わせなど、旧譜面から大幅にExtendされている。旧譜面ができるからといって油断してかかると痛い目を見るので注意。 Pane dhiriaEX 270 649 高速(高速)連打リズム難 終始登場する8分連打は雨のちなどの16分と同じ速度であり、感覚としては消失に近い。幸い曲通りの単押し連打なので「連打が得意なら」もっと簡単に感じるかも。ただし長連打中にリズムが狂うとFINEハマりに陥ったり閉店したりと油断はできない。6連打、7連打をうまく見極めるのがポイント。一点集中は□6連打、×7連打、○6連打、△7連打。 マスターオブパペッツEX 250 546 高速リズム難難読譜面(高速)連打初見殺し 高速かつリズムがフリーダム。ピンクムーンの強化版と言えば分かりやすいか。ここでの新傾向の譜面配置はビリヤードと梯子。動画等で予習しておくと有利に進められる。最大の難所は1番終了後の8分連打地帯。交互、同ボタン連打がコロコロ変わる上に難読譜面気味。連打速度は消失、ユートピアと概ね同じ速さなので焦って早押ししないように。案外カラフルな譜面も災いし、最初のうちは達成率が伸び悩むこともしばしば。めげずに頑張ろう。 え?あぁ、そう。EEX 192 619 高速連打縦同時押し回転押し全体難 相変わらず16分は一切ないが、全体的に切り替え連打が多くEXよりも回転押しの割合が増えている。イントロの初めからノーツがあるので出鼻をくじかれないように。中寄りの強。 えれくとりっく・えんじぇぅEEX 150 597 連打弱連打(高速)階段崩れ交互縦同時押し いろはEXを思わせる飛び石縦3つ同時押しやベティEXのような軸連打地帯、歌詞合わせの折り返し16分5連打などが加わるなどEXとは比べ物にならないほど難しくなっている。軸押し地帯で閉店してしまうようならネコミミアーカイブEXあたりで練習してから再挑戦してみよう。 オオカミガールEEX 165 475 連打交互連打縦同時押し(縦連)螺旋階段局所難 とにかく後半のサビの縦連が最大の難所。都合4回もあるので赤WRONGで逃げようとしてもゲージが足りず閉店しまう可能性が高い。前半のサビの螺旋階段も厄介だが縦連部分に比べればまだ全然おとなしく感じるだろう。 タイムリミットEEX 140 473 初見殺し弱連打交互連打(高速)螺旋階段崩れ同時押し難読譜面 間奏が最大の難所。連打とスライドの交互地帯(8分)から始まり、同時押しとスライドの交互地帯(8分)、交互連打地帯(16分)、そして螺旋階段崩れ地帯(16分)と続く。また、「タイムリミット」の「リミット」の部分の全押しノーツが回転しているような動きなので初見プレイでは注意。 東京テディベアEEX 204 643 高速リズム難弱連打同時押し局所難 間奏の16分3連打ラッシュが最大の難所。BPMが204と速いこともありかなりの連打力が要求される。それ以外は難所は少ないものの、後半のサビ部分は同時押しとスライドだけで構成されているので注意。ちなみに前半の「代わりになれば」の「なれば」の部分の同時押しは初見では見づらいが×□の8分3連打で叩く。 ペリコ・スペースシッパーEEX 150 589 初見殺し弱連打交互連打(高速)回転押しスライド難 冒頭からいきなり□と×の16分交互連打から始まる。16分交互スライドや16分階段、弱連打ラッシュや同方向連続スライドなど難所部分が際立って目立っており、EX以上の初見殺しとなっている。余談だが、この譜面にはHOLDノーツが全く存在しない。 崩壊歌姫 -disruptive diva-EEX 170 593 リズム難連打交互連打縦連難読譜面回転押し スライドと16分交互連打が追加されたほか、長連打地帯が8分交互に、縦連地帯が軸連打になっている。中盤の縦連地帯には飛び石縦3も出てくるためあらかじめエアDIVAなどで予習しておいたほうがいい。 メランコリックEEX 140 645 連打弱連打高速連打交互連打(高速)回転押しスライド難 元からスライドあり曲だったEXの上位互換譜面。間奏の○と□の16分交互9連打→16分3連打ラッシュ(最後16分4連打からのチェーンスライド)→→16分階段崩れ3連発(最後16分階段からのチェーンスライド)が最大の難所。ラスサビ突入直前も見切りづらいが「→×□×□→_全」(矢印はスライド方向、_は休符、全は全押し)と覚えておこう。 Rosary PaleEEX 60→148 410 速度変化リズム難弱連打交互連打高速連打回転押し同時押し 組換えあり交互連打、階段崩れ、往復階段など高難度の連打が次々と登場。特に往復階段は慣れないうちはWRONGで逃げるのも一つの手。 難関 鏡音八八花合戦EX 166 622 難読譜面弱連打交互連打同時押し かなりの難読譜面の上に切り替え連打、片ホールド連打、弱連打ラッシュ、軸押しなどコンボカッターが至る所に存在。どれか1つでも苦手要素があるとクリアすら怪しくなってしまう。片ホールド連打地帯は慣れないうちはホールド無視で。また、2番サビはホールド順が途中で逆になるので引っかからないように。 サウンドEEX 160 525 リズム難難読譜面弱連打交互連打縦同時押しスライド難ラス殺し EX譜面にはなかった16分の交互連打が容赦なく登場するなど、大幅に強化されている。最大の難所はアウトロの縦同時押し地帯だが、Aメロ1番の単押し→単スライドはともかくAメロ2番の単押し→ダブルスライドや間奏部分の軸連打も運指がかなり難しいので注意。
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「キョンくん、おっはよー!!朝ご飯できてるよー!!」 「ぎ・・・ぎがああああああぁぁあああっっっ!!??」 妹の目覚まし”シスターズボディープレス”で叩き起こされた俺はその衝撃に死ぬかと思った。 俗に言う朝立ち。その状態のアレの上に乗ってきたのだ。もう、痛いのなんのってない。 そう、何が起きたか解らないような痛みだったのだ。 「あぁああああぁあああああぁぁぁぁぁああぁぁぁ・・・・・・っっっっっ」 急速に、意識が薄れていく。 「どうしたの!?大丈夫!?」 妹が凄い慌てた様子で俺を揺さぶる。 「と、とりあえず・・・大丈夫、だ・・・・・ガクッ」 「キョンくん!?キョンくんっ!キョンく・・・キョ・く・・・キョ・・・・・」 よっぽどの激痛だったに違いない。 俺は、そこで意識が途絶えた。 そして、目覚める事はなかった。 死因「シスターのカールイス」 BAD END 第一話「My little lover」 ・・・と、まぁ、そんなんで死ぬ訳がなく、しばらくして俺は目が覚めた。 「・・・ん?」 どうしてたんだっけな。 あー・・・あ、そうだ。空中妹ダイブで気絶してたんだっけか。 自分のあれを確認する。ん、大丈夫そうだ。 それよりも体が物凄くダルい事が気になる。どうしたんだろう、俺は。 「あの・・・」 と、突然ひょっこりと俺の視界に少女が入ってきた。 見たことのある心配そうな顔。前見た時よりも大人びた気がする。 「・・・ミヨキチか?」 俺はその名前を呼んだ。念のために確認する為。 「はい。お久しぶりです。えっと・・・お兄さん、大丈夫ですか?」 濡れタオルをピトッと俺の額に置きながら尋ねてくる。 うん。冷たさが何とも心地良い。 「あー・・・なんとかな。ただ頭が少しふらふらするんだよな・・・」 何だか知らないが目覚めた時からある感覚。 間違いなく妹のムーンサルトキックバックドロップ(仮)とは無関係のダルさ。 恐らくは風邪だろう。この季節だから油断していたのかもしれない。 「だ、大丈夫じゃないじゃないですか・・・!!」 そう言ってミヨキチは微妙に泣きながらオロオロとしていた。 「あぁ、大丈夫だって。うん。ほら、この通り」 少し無理して起き上がり、手をブンブンと振り回す。 頭にガンガンと痛みとして響くがミヨキチを心配させる訳にはいかない。 「ほ、本当ですか?」 「そんな物凄く心配そうな顔をしなくても大丈夫さ」 なるべく自然な笑顔を作ってミヨキチの頭を撫でてやる。 さらりとした黒い髪が指に絡んではスッと指の隙間を通っていく。 「綺麗な髪だな」 「え・・・あ、ありがとうございます」 なでなで。 「・・・・・・」 なでなで。 「・・・・・・」 なでなで。 「・・・・・・」 なでなで。 「・・・・あの」 「ん?」 ミヨキチが顔を真っ赤にして上目遣いで喋りかけてくる。 くっ、その顔は反則だ。 「頭、撫でてくれるのは嬉しいんですが・・・その・・・恥ずかしいというか・・・・・」 「あぁ、悪い!」 言われて気付いた。俺、滅茶苦茶頭撫でてるで、しかし。 とりあえず慌てて手をパッとのける。その反動だった。 ズキッ。 「っ・・・」 思わず呻いた。 あの程度の動きなのに呻かずにはいられないぐらい頭に思いっきり響いたからだ。これは軽い風邪じゃない。 間違いなく熱は38度超えてる。図らずとも自信がある。ファイナルアンサーで1000万だな。 「お、お兄さん!?」 ミヨキチが慌てて俺の顔を覗き込んでくる。 「大丈夫。手をのける時に腰を捻っただけだから・・・」 「お兄さん腰なんて動かしてませんよ・・・気をきかしてくれるのは嬉しいんですけど無理しないで下さい・・・お願いです・・・・・」 「・・・悪い」 その顔を見ていると、どうも嘘はつけなかった。 酷い罪悪感が湧いて、湧いて、とめどなく湧いていたからだ。 「もしも、もしもお兄さんに何かあったら・・・私は・・・・・」 そう言って突然ミヨキチは俺の腕に顔を埋めて泣き出した。そりゃもう思いっきり肩を震わせて。 流石にこればかりは反応のしようがないし対処方法も解らない。 相手は大人びているとは言えども小学生だしな。子供心は解らない。 「ちょ、待て・・・どうしたんだよいきなり」 ミヨキチはひたすらに泣くしかない。どうしたら良いんだ? 俺はとりあえず泣き止むまでそっと抱きしめておくことにした。 「泣くなよ、ミヨキチ。可愛い顔が台無しだぞ?」 「ぐす・・・うぅ・・・」 「よしよし・・・すまないな・・・」 背中をとんとんと叩きながら俺はあやす。 幼い頃のうっすらとした記憶の中で親にされたように。 見よう見真似相違ないものではあったが、おかげでミヨキチの泣き声は段々とフェードアウトしていった。 親の教えは偉大なり。うんうん。 「落ち着いたか?」 「はい・・・」 「どうして、泣いたんだ?」 「もう、我慢が出来ないからです。私は、お兄さんが好きです。大好きです」 ・・・・・・・・・・・。 思考停止することおよそ数十秒。 思考の電源再起動。デフラグ。・・・完了。 さて、今起きた事を冷静に考えような。 ・・・・今、好きですって言われたんだな?ミヨキチに。そういうことだな。 ハハハ、そうかそうか・・・って。 「・・・ハァ!?」 即座に反応?そんなの出来るわけがないだろ。 何?何て言ったんだ?ちょっと待てよ。え? 「・・・好きなんです。お兄さんの事が、一人の男性として大好きなんです」 これはあれか。愛の告白って奴か。 あぁ、そうだな。了解しました、大佐。俺は今告白されているんですね。 何だか解らないけど犯罪の匂いがしています。あぁ、しています。 「私は、まだ子供だし、きっとお兄さんも私を子供と見ていると思います。だけど、大好きなんです。愛してるんです」 子供は言わんような言葉を並べて告白してくるミヨキチ。 俺はただ黙って聞く事しか出来ない。迫力が、そのか細い声の中にあった。 そして、再びミヨキチの目が潤み始める。 「ですから・・・無理は、しないで下さい・・・心配で仕方が無いんです・・・・・・」 「・・・解った。無理してすまない・・・・・」 「・・・はっ!わ、わわわ私とんでも無いこと言ってしまって・・・・・・!!」 そこでミヨキチの顔は一気に真っ赤になった。 「ははは、良いんだよ。ありがとう、ミヨキチ。俺は嬉しいよ」 「お兄さん・・・」 「でも、ミヨキチはまだ幼い。別に子供扱いしてる訳じゃなくて世間的に愛があっても駄目だと言われるような状態なんだ」 俺の言葉にミヨキチは声を大きくして言った。 「世間なんて関係ないです!愛さえあれば関係ないんです!!」 漫画なら活字でドーンって書いてありそうなぐらいの迫力だった。 目を思いっきりぎゅっと瞑って、思いっきり叫んだのだろう、本人としては。 「そ、そりゃまぁ、そうだけど、さ・・・」 「私は・・・もう我慢出来ないんです・・・・・」 そう言ってミヨキチは俺を抱きしめてきた。 ここまで美少女に言われて、抱きつかれて、なお無理だと言える男が居るだろうか。 いや、居るわけがない。 あぁ、お父さん。あぁ、お母さん。そして、妹よ。ごめんなさい。 「ミヨキチ・・・」 「なんですか?」 俺はどうやら、 「顔を上げて」 「はい・・・ん」 「・・・」 世間的にはヤブァイだろうけど、小学生と・・・ 「・・・」 「・・・今の、ファーストキスですから、えっと・・・その・・・ちゃんと責任取ってくださいね」 「・・・もちろん」 ・・・・・・・恋をする事になりました。・・・テヘッ★ 第二話「遊園地でつかまえて 前編」へ
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「こなちゃん。雨だね」 「そだね」 「雨・・・嬉しい?」 「なんで?」 「ううん、なんか嬉しそうな顔してたから」 「ん~まぁ安心してアニメが見れるからねぇ」 「そういえば、そんなことも言ってたね」 「そう言うつかさはどうなのさ?」 「ん~じめじめして私は苦手」 「あぁ前もそんなこと言ってたね」 「お洗濯物とか、なかなか乾かないし」 「あぁ・・・確かに乾かないねぇ」 「お姉ちゃん・・・こないね」 「こないねぇ」 「おっすこなた。つかさ」 「あ、お姉ちゃん」 「? 二人してなに辛気臭い顔してるのよ?」 「いやぁ、やっぱりかがみんが居ないとツマラナイなぁってね」 「うんうん。お姉ちゃん居ないとね」 「はぁ? まぁいいわ。みゆきは?」 「委員会の仕事がなんたらとか」 「ふーん。それであんた達は昼休みに外眺めて何してたのよ?」 「雨のことでね」 「雨?」 「雨が嬉しいか嬉しくないかってお話してたの」 「かがみんはどうなのさ?」 「私?ん~あんまり好きじゃないかなぁ」 「ほほぅ・・・かがみんのことだから、てっきり好きだと思ってたぁよ」 「へ?どうしてよ?」 「この私と出会えた日も雨だったじゃない?」 「あぁ。そんなこともあったわね。でも、それがどうして雨が好きなことに繋がるのよ」 「大好きな私のことを思い出す雨・・・あぁ切ないねぇ」 「はぁ?いつ誰があんたのことを好きなんて言ったのよ!」 「ふふ・・・私と同じクラスになりたいからって文系に変えたのは誰かなぁ?」 「べ、別にあんたの為に変えたわけじゃないわよ!」 「照れるな照れるなかがみんや。おぉ可愛いなぁ。なでなでしてあげる」 「こ、こなた、また喧嘩売ってる?」 「お姉ちゃんとこなちゃん。ほんと仲いいね」 「つかさ、何処をどう見てそういう結論に至ったのよ」 「えっと・・・ありのままを見て?」 「お~よちよち」 「こ、こなたぁ!」 「あれ?でも。そういえば・・・」 「?」 「?」 「私がこなちゃんにお姉ちゃんを紹介した時、雨降ってたっけ?」 「あぁあれ実は二度目」 「えぇ~~~!?そうだったんだ?」 「そうそう。初めて会った時は雨降ってたんだよね」 「そうね。場所は確か・・・」 「ゲマズだったね」 「そこでどうやって知り合ったの?」 「え~っとたしかぁ」 ――――――ふたりの雨とひとつの傘―――――― ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― うぅ、届かない・・・ お目当ての本は、棚の最上段。 こういう時は背の低さを少し呪ってしまう。 「ん~~~~!!ん~~~~!!」 後、少しで届くんだけど・・・ 「これ?」 「え?」 お目当ての本を目の前の女の子が取ってくれていた。 「これで良かった?」 「え?え?」 「あなたが取ろうとしてた本よ」 「そう・・・だけど」 私がそういうと、「はい」と彼女が本を手渡してくれた。 「あ、ありがとう」 「どういたしまして。今度、高いとこの取ろうという時はそこの使いなよ?」 脚立を指差す彼女。そういえばあったね。 もう片方の彼女の手に持ってるのは。 「フルメタ?」 「え? あ・・・」 彼女が「しまった」みたいな顔で後ろ手に隠す。 「いや、私オタクじゃないし。フルメタルパニックなんて読まないわよ」 「私、フルメタって言ったんだけど・・・」 「!!」 また「しまった」みたいな顔になる彼女は手で顔を隠す。 「ふーん、やっぱり」 「いや、別に、これは、なんというか・・・」 「隠す必要なんてないじゃん」 「隠してなんてないわよ!」 「いや、どう見ても隠してたし」 「も、もう!だからどうだって言うのよ!」 「私、好きだよ」 「へ?」 「活字苦手だから小説は読まないんだけど、アニメは好きだよ。フルメタ」 「そ、そうなんだ?」 そういう私に彼女は少しニヤけた顔を、フルメタで隠していた。 「どんなとこが・・・好き?」 「宗介の不器用なとことか、それよりも不器用なかなめとの恋とか。 後、アニオタの熱いキャラとか、ラムダドライバの燃える展開とかっ」 「へ、へぇ・・・結構好きなんだ?」 「そだね。アニメではかなり好きな方だよ」 「小説・・・読んでみない?」 「ん~~活字苦手だし」 「見てみなってぇ!絶対面白いから!」 そういうと彼女は手にしたフルメタを私に差し出してきた。 「ん~じゃあ、ちょっとだけ」 ぱらぱらっとページをめくって見るけど、やっぱり活字が頭に入ってこない。後、 「先生。これ何巻ですか?途中からとかワケ分かりませんよ」 「あぁ、そだった・・・」 不満顔の私にうろたえる彼女。 「絶対面白いからさ。今度1巻から貸してあげるから読んでみなよ」 「ん~やっぱり活字は頭に入ってこないから良いよ」 「そう・・・」 寂しそうに俯く彼女。ちょっとそっけなさ過ぎたかな。 「今は読む気はないけど、今後もそうか分からないし、読みたくなった時はさ」 「へ?」 「そん時は貸してよ。フルメタ」 「え、えぇ!」 嬉しそうな顔で笑う彼女を見てて思う。 百面相。割と見てて面白い。 「ちょっと待ってて。レジ行ってくる」 「あぁ、私もまだ買ってないから行くわ」 そう言って、私達はレジで会計を済ます。 「今からそこのマックに行くつもりだけど、一緒に寄って行かない?」 「いいわよ、せっかく知り合ったんだし」 「あ・・・雨」 「そうね」 「傘、持ってきてない・・・」 「天気予報見なかったの?」 「予報なんて信用してないから見ないし、出る時、晴れてたから」 「はぁ・・・しょうがないわねぇ」 そういって彼女が鞄から折り畳み傘を取り出して広げた。 「入りな」 「ありがと」 よく分からないけど、こういう時ってなんだか照れる。 「あ、そういえば」 ? 「名前、聞いてなかったね」 そういえば、そうだった。 マックの店内。 軽快なBGMが流れる店内で戦利品を鑑賞しつつ、片手間にポテトを口に運ぶ私。 視線を上げると彼女も黙々とフルメタを読んでいるようだ。 こういう時、中学の頃の友達だったら、会話がメインになってしまって読むことに集中させてくれなかった。 話すことが苦手というわけではない。 でも、せっかく買ったんだから、こういう時は本を読んでいたいのだ。 今、目の前で黙々と読んでいる彼女もそういう節があるようだ。 ふと、視線が合う。 「ん?なに?」 「いや、女の子にしては、こういった場所で、そういう風に読みふけるのは珍しいなって思って」 「あんたも女の子でしょうが」 「そ、なんだけどね」 「まぁ、言いたいことは分からないでもないけどね」 「でしょ?」 「私の友達もああいったところとか、こういう本には興味が無いみたいだし」 「同じ趣味を持つ友達ってのは、なかなかねぇ・・・」 「特にこういった類で女の子の同士を見つけるのは、難しいわねぇ」 「だね」 「まぁでも、こうやってお仲間を見つけられたのは不幸中の幸いね」 「といっても、ちょっと系統違うけどね」 「いつか染めてあげるわよ♪」 「ぐふ・・・お手柔らかに」 「そういえば、こなた。家はどこら辺なの?」 「あぁえっとね・・・最寄は幸手」 「ふーん、結構近いのね」 「へ?そなの?」 「えぇ、その先の日光にある神社の子なの、私」 「へぇ・・・じゃあ巫女さんやってたり?」 「たまに手伝いでね」 「柊・・・かがみ」 「何よ・・・?突然」 「ううん、なんでもー」 「まぁいいけど。それにしても、偶然が重なるわねぇ」 「運命、だったりしてね」 「そんなわけないでしょ。ふふ」 やっぱり、同好の趣味を持つと友達になりやすいのかなぁ。 出会って数時間も経たないけど、なんだか私達はすごく仲良くなれてる気がする。 ゲーム並に出来すぎた偶然は本当に運命かもしれないと思わせる。 次はー幸手ー幸手ー 「あ、もう幸手だ」 「そうね」 「傘、助かったよ。ありがとうね」 「別に、行く先は一緒だったんだし構わないわよ。 それより家近くなの?良かったら傘貸そうか?」 「ううん、大丈夫。電話してお父さんに迎えに来てもらうから」 「そっか」 ちょっと寂しそうな顔を見せるこの子は、きっと世話焼きさんなんだろう。 電車の扉が開くと同時に飛び出す私。 「あぁそうそう」 「何よ? 早く言わないと扉閉まっちゃうわよ」 「つかさによろしくね」 「あれ?あの子知ってたの?」 「うん。同じクラスの友達」 「そうだったんだ?ますます偶然が重なるわね」 「そうかもね。それじゃあ!」 「えぇ、またね」 プシューっと気の抜けた音と共に電車の扉が閉まる。 私達は、ただなんとなくお互いの姿が見えなくなるまで目を合わせていた。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「と、かがみんとの馴れ初めはそういう感じだったのですよ」 「へぇ~そうだったんだぁ・・・」 「まぁ偶然というには偶然が重なり過ぎた出会いではあったわね」 「だからかぁ・・・」 「どしたの、つかさ?」 「えっとね、こなちゃんに紹介する前日にね。 お姉ちゃんが私の友達紹介して欲しいって急に言ってきたの」 「あ・・・あぁ・・・」 「ふふーん。詳しく聞かせてもらいましょうか?かがみんや」 「ちょっとつかさ!それ黙っててって言ったでしょうが!」 「あ、ごめーん・・・」 「いいではないか、いいではないか。そんなに私のことが気になったのかな?」 「く・・・くぅぅぅぅ~~~~~」 「あれ?皆さんどうかしたのですか?」 「あ、みゆきちゃんお疲れ様」 「お気遣いありがとうございます。 それで、かがみさんとこなたさんは何をしていらっしゃるのですか?」 「いやぁ愛情表現?」 「んなわけあるか!は~な~れ~ろ~!!」 あの日から時間があれば、会いに来てくれるかがみ。 ちょっと嗜好は違っても、同好の友達が居るってのは、とてもありがたいと思う。 まぁことあるごとにラノベ読ませようとしてくるのはご愛嬌ってことで。 こんな日が明日からも続くのであった。 おしまい。
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あの日のゆかちゃんは、今思えばちょっと様子がおかしかった。 あたしは、叶った夢だとか幼い恋だとか。 ノンキなことばかり考えてふわふわしてた時期だったから、切羽詰まった様な困った様な、真剣な顔をしたゆかちゃんが心配になったっけ。 Recollection* 「あ〜ちゃん」 「ん〜?」 「ちょっとね、話があるの。今日、仕事が終わったら付き合ってくれない?」 「えぇ〜、なんじゃろ改まって。珍しいね」 「うん…。付き合ってくれる?」 「ええよ。あ〜ちゃんで良いなら、いくらでも聞くよ」 「良かった。ありがと」 仕事が終わり、楽屋に戻ると、あたしとゆかちゃんはそそくさと帰り支度を済ます。 その日のラストの仕事の後は、楽屋でやいのやいのガールズトークを繰り広げるのがいつものあたし達だから、のっちが不思議そうにあたしとゆかちゃんを眺めている。 大きな瞳が、あっちへこっちへ、キョロキョロ動く。 口が開いてるよ、のっち。 かわいい。 「なになに、もう帰っちゃうの?」 のっちは、いつものあの顔。 「そ。今日はあ〜ちゃんとデートなんじゃ」 イジワルな顔したゆかちゃん。語尾が上がる、あの喋り方。 「えぇ〜…のっちは?」 「デートは二人でするもんじゃけ、のっちはおとなしくおうちでゲームしとりんさい」 しゅんとしてしまうのっち。下唇が、かわいく突き出る。 ごめんね。のっち。 今日はゆかちゃんと二人で話するけぇ、今度は一緒にお出掛けしようね。 東京ってのは、すごい街だ。 時刻はすっかり夜だというのに、目を凝らさなくたって、歩く道は遠くまでしっかり見える。 街が明るいせいか、空はどんよりどこまでも黒い。 利便を考えればいくら明るくしても足りない位だと思っていたけど、光っていうものも度が過ぎると、なるほど問題も生み出すらしい。 まぁ、そもそもこの街の空は、下手くそなあたしがやった、積み上がったテトリスの疎らな隙間ほどしか見えないのだけれど。 あたしとゆかちゃんは、肩を並べて、明るい道をずんずん歩く。 別に変装もなにもしてないのに、気付く人はいない。 ちょっとつまらないけど、きっと私服が地味だからだな、と、自分を納得させる。 いつもは、派手な衣装だから、きっと結び付かないんだな、と。 ゆかちゃんに連れて来られたのは、店内が少し暗い、でもちょっと間接照明がセンス良い感じの、落ち着いたオシャレなお店。 ゆかちゃんは、こういうお店を良く知っている。 いつもは、誰と来てるんだろう。 あたしとのっちは、ゆかちゃんとこういうお店に来たことはない。 注文やらなんやらは、ゆかちゃんに任せたコドモなあたし。 なんかこういうお店って、そわそわしちゃうんよね。 「あ〜ちゃん、今、好きな人いる?」 注文を終えたゆかちゃんが、唐突に話始める。 「え?あぁ…うん。いるよ」 「そっか」 聞かれて、一瞬考えてしまった。きっとゆかちゃんの今日の話ってのは、恋の話なんだ。 質問を聞いて、最初に頭に浮かんだのは、優しい顔したのっち。 あたしはきっと、表情が緩くなったはず。 でも、好きな人が女の子だって問題ないよね? 好きなことにはかわりない。 「あたしもね、好きな人がいるの」 やっぱり、恋の悩みだね。 ゆかちゃんがあたしに頼ってくれるなんて嬉しい。 ってか、珍しい…?